経営事項審査(経審)とは?点数・ランク・申請の流れを行政書士が徹底解説

経営事項審査(経審)は、国や地方公共団体などが発注する公共工事を受注しようとする建設業者が必ず受けなければならない審査制度です。

建設業法第27条の23に基づき、経営状況・経営規模・技術力・社会性の4つの観点から客観的な評価を行い、「総合評定値(P点)」として数値化します。

経営事項審査(経審)とはなぜ必要か

公共工事を受注するには、発注機関への入札参加資格申請が必要です。

その前提として経審の受審が義務付けられており、受けずに公共工事を受注した場合は建設業法違反となります。

審査結果の有効期間は審査基準日から1年7ヵ月のため、毎年継続して申請することが必要です。

経審が必要な3つの理由

  • 公共工事入札への参加要件:国・都道府県・市区町村が発注する工事の入札に参加するための必須条件
  • 受注できる工事規模の決定:P点によるランク区分で参加できる入札の規模・金額が決まる
  • 毎年の継続申請が必要:有効期限が切れると入札参加資格も失効する

経営事項審査の申請の流れ

経審の申請は大きく2段階に分かれます。

  1. 経営状況分析(Y点)の申請:国土交通大臣の登録を受けた民間の分析機関に申請し、財務内容を数値化した「経営状況分析結果通知書」を取得します。申請から通知書受領まで約2〜3週間かかります。
  2. 経営規模等評価申請(X・Z・W点):東京都知事許可の場合は東京都へ申請します。受理から審査完了まで約1〜2ヵ月が目安です。
  3. 総合評定値通知書の受領:「経営規模等評価結果通知書兼総合評定値通知書」が交付されます。
  4. 入札参加資格の申請:P点をもとに各発注機関に入札参加資格を申請・登録します。

総合評定値(P点)の計算式と仕組み

P点は5つの評点を加重平均して算出します。

P = 0.25X₁ + 0.15X₂ + 0.20Y + 0.25Z + 0.15W

評点 内容 係数
X₁ 完成工事高(工事実績) 0.25
X₂ 自己資本額・利益額 0.15
Y 経営状況(財務内容) 0.20
Z 技術力(技術職員数・保有資格) 0.25
W 社会性等(労働保険・建設業退職金共済等) 0.15

X₁(完成工事高)とZ(技術力)の係数がそれぞれ0.25と最も高いため、工事実績の積み上げと技術職員の資格取得・在籍がP点向上に特に効果的です。

P点のランクと受注できる工事規模の目安

ランク P点の目安 受注工事規模の目安
S 1,000点以上 大型工事・制限なし
A 700〜999点 数億〜数十億円規模
B 500〜699点 数千万〜数億円規模
C 350〜499点 数百万〜数千万円規模
D 350点未満 小規模・軽微な工事

経審申請に必要な書類

  • 財務諸表(貸借対照表・損益計算書・完成工事原価報告書など)
  • 工事経歴書(直前2年の完成工事高の実績)
  • 技術職員名簿(保有資格・雇用形態)
  • 労働保険・社会保険の加入証明書類
  • 経営状況分析結果通知書(Y点)
  • 建設業許可通知書の写し

経審のよくある質問

決算変更届と経審の関係は?

経審の申請前には、事業年度終了後4ヵ月以内に決算変更届(事業年度終了報告)の提出が必要です。

決算変更届を提出していないと経審の申請ができません。

当事務所では決算変更届の作成・提出から経審申請まで一括してサポートしています。

経審は自社で申請できますか?

制度上は可能ですが、財務諸表の作成・工事経歴書の記載・添付書類の準備など手続きが複雑なため、行政書士への依頼が一般的です。

補正(不備による修正指示)が発生した場合も、期限内に対応する必要があります。

P点を上げるには何をすればよいですか?

係数の高いX₁(完成工事高)とZ(技術力)を重点的に改善することが有効です。

特にZ点は技術職員の1級資格保有者を増やすことで大きく向上します。

またW(社会性等)は労働保険・社会保険の適切な加入・建設業退職金共済の加入などで得点できます。

佐藤栄作行政書士事務所 | 公開日:2026.10.03 21:50 
更新日:2026.10.03 21:55

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