建設業許可の押印廃止で何が変わる?申請手続きの最新変更点を徹底解説
建設業を営む皆様へ。2021年1月1日以降、建設業許可の申請書類から押印が廃止されたことはご存知でしょうか?
この建設業法改正は、書面提出を主としたこれまでの手続きを大きく変えるものです。
今回の記事では、
- 「押印」が不要になった背景
- 具体的な申請書の様式変更
- 変更届や経営事項審査などへの影響
を分かりやすく解説します。
押印廃止の背景と目的
なぜ、長年慣習として存在した押印が廃止されたのでしょうか?
その背景には、
- 行政手続き全体の見直し
- 国民や事業者の利便性向上を求める政策
があります。
押印が廃止された理由
近年、官公庁の各種手続きにおける押印の必要性が問われる中で、特に押印がなくても本人確認が可能な書類から順次、押印欄を廃止する方針が国によって定められました。
これは、建設業界に限らず、社会全体のデジタル化を推進する環境整備の一環です。
押印の手間から解放される
この変更は、書類の作成や提出に伴う多くの手間を省きます。
- 印鑑の紛失リスクや管理の手間がなくなります。
- 押印のためだけに事務所や関係者の元へ足を運ぶ手間が不要となります。
建設業界は多忙な業務が多い事業者様にとって、こうした些細な手間が解消されることは、大きなメリットと言えるでしょう。
具体的な変更内容と対応
では、具体的にどのように建設業許可申請の手続きが変わったのでしょうか。
申請書類の様式変更
まず、
- 建設業許可申請書(第1号様式)
- 各種の変更届出書(第22号の2様式)
- 経営事項審査の申請書等
許可に係る主要な書類の様式から、申請者本人や行政書士の押印欄が削除されました。
令和3年1月1日以降に提出する書類は、改正後の様式を使用する必要があります。
書類の様式は、国土交通省や各県の窓口、あるいは行政書士の事務所のホームページなどで確認できます。
行政書士への依頼時における変更点
行政書士に代行を依頼する場合も、押印は不要になりました。
ただし、委任した事実を確認するため、委任状等の書類に署名を求めることが一般的です。
これは、申請内容に責任を持つ事業者の意思を証明するためです。
押印廃止に伴う電子申請への移行
押印の廃止は、建設業許可手続きのデジタル化の第一歩と言えます。
国土交通省は、建設業許可・経営事項審査の電子申請システムを整備しています。
段階的に運用を開始しています。
このシステムを利用することで、書類の作成から提出までをオンライン上で完結させることが可能になります。
業務効率は飛躍的に向上します。
電子申請システム利用のメリット
- 24時間いつでも申請・届出ができます。
- 書類をpdf化してアップロードするため、郵送や窓口へ行く手間がなくなります。
- 過去の申請内容をシステム内で確認できるため、更新や変更時の作業が楽になります。
これらの変更に対応し、スムーズに手続きを進めるためには、最新の情報を常に確認することが重要です。
2025年現在の状況
押印の廃止は、建設業許可申請のデジタル化に向けた第一歩でした。
そして2025年現在、この電子申請システムは本格的な運用段階に入り、事業者様の業務をさらに効率化しています。
国土交通省は「建設業許可・経営事項審査電子申請システム」の機能を大幅に拡充しました。
書類の作成から提出までをオンラインで完結させることが可能になりました。
これにより、郵送や窓口への提出という手間だけではありません。
- 申請書の記載ミス
- 書類不備
による差し戻しを大幅に減らすことができます。
特に2025年の変更点として、電子申請システム上での申請状況がリアルタイムで確認できるようになりました。
処理の進捗が見える化されました。
これにより、事業者の皆様は許可の取得までをより安心して待つことができるようになりました。
押印廃止に伴う電子申請への移行
国土交通省は、建設業許可や経営事項審査の申請手続きをオンラインで完結させる「建設業許可・経営事項審査電子申請システム」(JCIP)を整備しています。
2025年現在、このシステムは全都道府県で利用可能となっております。
ただし、書面での申請も引き続き可能です。
そうした中でも、一部の自治体では電子申請を原則とする動きも見られます。
このシステムは、押印廃止と並行して、行政手続きのデジタル化を推進する上で中心的な役割を担っています。
注意点
- GビズIDの取得: JCIPを利用するには、GビズIDの取得が必要となります。
- 書類の電子化: 従来の書面申請で必要だった添付書類は、スキャンするなどしてPDF化し、システムにアップロードする必要があります。
- 不慣れな操作: 新しいシステムのため、操作方法に慣れていない場合、かえって時間がかかる可能性もあります。操作マニュアルや説明動画も公開されていますが、不明な点があれば専門家への相談も考慮することが重要です。
- 手数料の支払い: 登録免許税や手数料の支払いには、電子納付などの方法が利用できます。
関連する手続きへの影響と注意点
押印廃止は、建設業許可申請だけではありません。
その後の様々な手続きにも影響を及ぼしています。
特に、
- 決算報告書
- 事業年度終了後の各種届出
そして登録・更新時における変更点を理解しておくことが重要です。
手続き変更のポイント
決算報告書の提出時
決算報告書の提出に関わる書類からも、押印欄が削除されています。
具体的には、使用する様式が改正されました。
押印は不要になりました。
ただし、記載内容に虚偽がないことを示す証明書や誓約書には、申請者の署名が必要となる場合があります。
事業年度終了後の各種届出
事業年度が終了した後に必要となる変更届(役員や専任技術者の変更、工事実績など)も、押印の必要はありません。
届出に関するすべての様式は、押印欄が削除された最新版を使用する必要があります。
登録・更新時の手続き
建設業許可の登録や更新申請も同様に、押印は不要です。
申請の際は、書類の内容に変更がないかを確認しておきましょう。
必要な書類を揃えることが重要です。
電子申請システムを利用することで、過去の情報を確認しながら、スムーズに手続きを進めることが可能です。
スムーズな手続きのためのヒント
書類作成のポイント
- 最新の様式を使用: 押印廃止後の最新の様式を使用しているかを必ず確認してください。
- 正確な記載: 押印が不要になった分、書類の記載内容の正確性がより重要になりました。経営事項審査や決算書の数字、技術者の情報などに間違いがないか、複数人で確認することをおすすめします。
- 電子化: 各種書類をPDFとして管理し、電子申請に備える環境を整えましょう。
行政書士への相談時期
手続きが複雑で不安な場合、行政書士に相談することで、時間と労力を大幅に削減できます。
特に、以下のような時期に相談することをお勧めします。
- 許可の新規取得を検討している際。
- 事業年度が終了し、変更届の提出準備を始める際。
- 許可の更新期限が迫っている際。
行政書士は、最新の情報を基に、事業者ごとに最適な手続き方法を提案しております。
スムーズな対応を支援します。
建設業許可の手続きは行政書士に相談する時代へ
押印廃止や電子申請システムの普及は、手続きを簡素化する一方で、最新の情報を常に確認しましょう。
適切な書類を作成する必要があることに変わりはありません。
中小建設業者の皆様にとって、本業の工事や営業に集中することは何より重要です。
そうした中で、法律の改正や新しいシステムの操作を学ぶのは、大きな負担となり得ます。
そこで、行政書士に相談するメリットが明確になります。
専門家が持つ知識と経験
行政書士は、建設業法や施行規則といった専門的な法律に精通しています。
日々更新される情報を確認しています。
特に複雑な要件が絡む場合(例:専任技術者の実務経験の証明など)、専門家の経験と知識が許可の取得を左右します。
【2025年最新版】建設業の「営業所専任技術者」とは?要件や変更手続きを徹底解説
時間とコストを削減
- 書類の作成から提出まで、すべての手続きを代行します。
- 不備なく書類を作成することで、手続きがスムーズに進みます。許可の取得までの期間を短縮します。
- 無料の相談から始まるケースも多く、経営者や経理担当者が手続きに費やす時間とコストを大幅に削減します。
押印が不要になり、電子化が進む現代だからこそ、複雑な制度を理解し、業務を効率化するために、行政書士のサポートを利用することが、事業者の皆様の成長にとって重要な対策と言えるでしょう。
当事務所では、建設業許可申請を専門としております。
- 初めての手続きで何から用意すればいいのかわからない。
- 自分たちでできることと任せなければいけないこともわからない。
こんなお悩みもお気軽にご相談ください。
参考資料
https://www.ktr.mlit.go.jp/ktr_content/content/000795877.pdf
- « 建設業許可の要件改正
- おくやみ »
- 前へ
- 次へ