解体工事業許可と解体工事業登録の違いとは?500万円の壁と資格要件を解説

解体工事業の「許可」と「登録」で迷っている事業者様へ
結論から申し上げますと、1件の請負代金が500万円(税込)以上の解体工事を受注・施工する場合は建設業法に基づく「解体工事業許可」が必須となります。
500万円未満の軽微な解体工事のみを行う場合は建設リサイクル法に基づく「解体工事業登録」が必要となります。
2026年現在、老朽化マンションや高度経済成長期に建てられた建造物の解体需要が急増する一方で、解体工事に起因する事故や不法投棄に対する行政の取り締まりは年々厳格化しています。
元請企業や発注者から「許可証か登録証を出してほしい」と求められた際、自社がどちらのライセンスを取得すべきか正しく理解していないと、無許可営業・無登録営業として厳しい行政処分や罰則を受けるリスクが生じます。
また、すでに「解体工事業許可(または土木一式・建築一式許可)」を保有している場合は解体工事業登録が不要となる二重登録の不要ルールが存在するなど、二つの法律の制度設計は非常に複雑です。
本記事では、建設法務を専門とする行政書士が、
- 許可と登録の「500万円の壁」
- 費用・管轄・有効期間の違い
- 施工管理技士等の技術者要件の比較
- 平成28年の建設業法改正による旧「とび・土工」からの移行ルール、
および一都三県での営業エリアの注意点までを徹底的に解説します。
なお、建設業許可の全体像や対象工事については、当事務所の解説記事である 建設業許可が必要な工事とは?建設業法における建設工事を解説 や 建設業許可の種類と選び方ガイド:3つの決定基準 を併せてご覧ください。
ひと目でわかる!「解体工事業許可」と「解体工事業登録」の徹底比較
結論として、許可と登録は
- 「請負金額の規模(500万円の壁)」
- 「申請先(都庁建設業課か環境局か)」
- 「現場ごとの登録要否」
という3つのポイントで根本的に異なります。
双方の制度の違いを整理した比較マトリックスは以下の通りです。
| 比較項目 | 建設業法に基づく「解体工事業許可」 | 建設リサイクル法に基づく「解体工事業登録」 |
| 根拠法律 | 建設業法 | 建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律(建設リサイクル法) |
| 対象工事規模 | 1件の請負金額が500万円以上(500万円未満も施工可能) | 1件の請負金額が500万円未満限定(500万円以上は施工不可) |
| 有効期間 | 許可の日から5年間(要更新) | 登録の日から5年間(要更新) |
| 公的手数料(法定実費) | 新規 90,000円(東京都知事許可の場合・公的証紙代) | 新規 33,000円程度(東京都の場合・行政手数料) |
| 管轄行政庁窓口 | 東京都都市整備局 住宅建築本部 建設業課(都庁窓口) | 東京都環境局 資源循環推進部(または各都道府県の環境・リサイクル担当窓口) |
| 営業エリアの範囲 | 1つの知事許可で全国すべての現場で施工可能 | 工事現場が存在する都道府県ごとに個別の登録が必要 |
| 二重要否ルール | 許可を保有していれば、解体工事業登録は一切不要 | 許可を取得した時点で登録は不要(または廃業届)となる |
| 配置すべき技術者 | 専任技術者(専技)(常勤・営業所ごと) | 技術管理者(常勤・営業所ごと) |
このように、500万円以上の解体工事を手掛ける大半の業者は「解体工事業許可」を目指します。
小規模な家屋解体や内装解体(スケルトン解体)を中心にスタートする一人親方・小規模事業者は「解体工事業登録」を選択するのが一般的な実務上のルートとなります。
当事務所では、解体工事業許可の取得はもちろん、小規模解体業者様向けの解体工事業登録手続きも一括代行しております。
詳しい取扱業務や料金体系については、当事務所の 取扱い業務サービス案内ページ をご参照ください。
500万円の壁と「二重登録の要不要」に関する重要な法的ルール
結論から申し上げますと、請負代金が500万円以上の案件を施工するには建設業許可(解体工事業)が絶対に必要ですが、「解体工事業許可」または「土木一式工事業許可」「建築一式工事業許可」のいずれかを保有している事業者は、解体工事業登録を受ける必要が法的に免除されます。
① 500万円未満でも「解体工事業登録」は絶対に省略できない
建設業法上、1件の請負金額が500万円未満の工事は「軽微な建設工事」と定義され、通常は建設業許可がなくても施工可能です。
しかし、解体工事に限っては例外ルールが存在します。
建築物の解体工事は建設リサイクル法が適用されるため、請負金額が数十万円の小規模な戸建て解体や店舗内装解体であっても、「解体工事業登録」を受けずに営業・施工した場合は「無登録営業」として1年以下の懲役または50万円以下の罰金(建設リサイクル法第48条)という重い刑事罰の対象となります。
② 二重登録は不要!「一式許可(土木・建築)」を保有している場合の特例
解体工事業登録が不要となるのは、以下の3つの建設業許可のいずれかを保有している場合です。
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建設業許可(解体工事業)を保有している
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建設業許可(土木一式工事業)を保有している
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建設業許可(建築一式工事業)を保有している
上記のいずれかの許可を都庁等から取得していれば、自動的に建設リサイクル法上の登録業者とみなされるため、解体工事業登録を別途受ける必要はありません(ただし、解体工事業登録から建設業許可へステップアップした場合は、登録していた都道府県へ通知・変更手続きを行う実務が必要です)。
なお、解体工事業許可から発展して、元請として大規模な下請発注を伴う解体工事を請け負う場合に必要な「特定建設業許可」の要件については、当事務所の専門ガイドである 建設業許可の特定建設業とは?要件と取得方法 を併せてご確認ください。
技術者要件の決定的な違い(専任技術者 vs 技術管理者)
結論として、解体工事業許可で求められる「専任技術者」と、解体工事業登録で求められる「技術管理者」は、なれる国家資格や必要な実務経験年数において大きな基準の違いが存在します。
① 解体工事業許可の「専任技術者(専技)」になれる資格・要件
一般建設業の解体工事業許可を取得するためには、営業所に以下のいずれかの資格または実務経験を持つ常勤の「専任技術者」を配置しなければなりません。
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1級・2級建築施工管理技士(種別:解体工事)(※昭和63年度以前の合格者は要指定講習)
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1級・2級土木施工管理技士(種別:解体工事)(※平成15年度以前の合格者は要指定講習)
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解体工事施工技士(公益社団法人全国解体工事業団体連合会主催)
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1級・2級建設機械施工管理技士(第一種〜第六種)
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実務経験ルート: 建築学・土木工学等の指定学科卒+3〜5年の実務経験、または10年以上の解体工事の実務経験(注文書や通帳で立証)
② 解体工事業登録の「技術管理者」になれる資格・要件
解体工事業登録における「技術管理者」の要件は、建設業許可の専任技術者よりもハードルが低く設定されており、以下のいずれかでクリアできます。
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解体工事施工技士
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1級・2級建築施工管理技士(建築または土木)
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1級・2級土木施工管理技士(土木)
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1級・2級建設機械施工管理技士
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第一種・第二種電気工事士 + 解体工事の実務経験1年以上
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技術士(建設部門)
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実務経験ルート: 解体工事に関する8年以上の実務経験(講習受講により5年に短縮可能)、または指定学科卒+実務経験
このように、第二種電気工事士の免状保持者が1年の解体実務経験を積むことで登録の「技術管理者」にはなれますが、建設業許可の「専任技術者」にはなれません。
自社が保有する資格でどちらが取得可能か、専門家による事前診断が非常に重要となります。
知っておくべき3つのノウハウ
① 旧「とび・土工」許可業者に関する平成28年法改正の経過措置と注意点
平成28年(2016年)6月1日の建設業法改正により、従来「とび・土工・コンクリート工事業」に含まれていた解体工事が独立し、29番目の専門業種として「解体工事業」が新設されました。
かつて「とび・土工」の許可で解体工事を行っていた事業者は、平成31年(2019年)5月31日をもって経過措置期間が完全に終了しています。
現在、500万円以上の解体工事を施工するためには、必ず「業種追加」等を行って「解体工事業許可」を正式に保有していなければなりません。
旧とび・土工の許可のまま500万円以上の解体工事を請け負うと無許可営業違反となるため、注意が必要です。
とび・土工工事と解体工事の明確な業種区分の違いや専門工事の考え方については、当事務所の解説記事である 建設業許可が必要な工事とは?金額・種類・要件を徹底解説 を併せてご参照ください。
② 都道府県ごとの「解体工事業登録」と「都知事許可(建設業)」の移動範囲の違い
実務上、最も多くの事業者が落とし穴にハマるのが「営業エリア(施工できる現場の位置)」の違いです。
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建設業許可(解体工事業・東京都知事許可の場合):
東京都知事許可を1つ取得していれば、神奈川県、埼玉県、千葉県など全国どこの現場であっても1件500万円以上の解体工事を施工することが可能です。
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解体工事業登録(東京都知事登録の場合):
解体工事業登録は「工事現場が存在する都道府県ごと」に登録が必要です。たとえ営業所が東京都内に1つだけであっても、神奈川県や埼玉県の現場で500万円未満の解体工事を行う場合は、神奈川県知事および埼玉県知事へそれぞれ解体工事業登録を提出しなければなりません。
一都三県を手広く動く解体業者様にとっては、県ごとに解体登録を重ねて手数料を支払うよりも、早い段階で「解体工事業許可」を取得した方が、結果として管理コストや手数料を大幅に削減できるというメリットがあります。
当事務所(佐藤栄作行政書士事務所)の代行費用とお取引の流れ
結論として、自社が「登録」と「許可」のどちらを取得すべきか診断し、都庁や各県庁への面倒な書類作成・手続代行を丸投げしたい経営者様は、建設法務専門の当事務所へ一括してご委託いただくことが最も手戻りがなく確実です。
① 明朗な料金システム(公的証紙代・行政書士報酬)の一覧
当事務所における、解体工事業許可および解体工事業登録の手続き費用一覧を提示します。
| 手続き名 | 行政手数料・公的実費(必ず発生する費用) | 当事務所の行政書士報酬(税込) | 概要・サポート内容 |
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解体工事業登録申請 (新規・1都道府県) |
東京都への手数料:33,000円程度 | 55,000円〜 | 技術管理者の要件精査、誓約書・登録申請書作成、東京都環境局への代理提出一式。 |
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解体工事業 建設業許可申請 (一般・知事・新規) |
東京都への手数料:90,000円(公的証紙代) | 165,000円〜 | 経営管理責任者(経管)・専任技術者(専技)要件立証、財務諸表組み替え、都庁(建設業課)対応一式。 |
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解体工事業 業種追加申請 (既存許可への追加) |
東京都への手数料:50,000円(公的証紙代) | 110,000円〜 | 既存の建設業許可に解体工事業を追加する手続き。許可取得後の解体登録変更届も含めてサポート。 |
② ご相談からライセンス取得までのシンプルステップ
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気軽なお問い合わせ・無料要件診断: ホームページの問い合わせフォーム、メール、またはお電話・公式LINEからご連絡ください。自社の保有資格(施工管理技士、解体工事施工技士等)や実務経験、請負予定の工事金額をお伺いし、許可・登録のどちらを目指すべきか一発診断します。
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公的書類の職権取得と書類作成: 当事務所の行政書士が、役所で取得する住民票や身分証明書、登記されていないことの証明書を職権で一括取得。証明書類(注文書・通帳等)を精査して申請書を作成します。
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窓口(都庁建設業課または環境局・JCIP)への提出: 代理人として都庁の建設業課(許可)または環境局(登録)、オンラインのJCIPシステムへ正確なデータを送信。補正指示にも行政書士が直接対応します。
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許可通知書・登録通知書の受領: 申請から約30日〜45日(登録の場合は約2〜3週間)で正式な通知書が交付され、適法に解体工事を受注・施工できる体制が完了します。
まとめ:自社に最適なライセンスを選択し、解体ビジネスを飛躍させよう
結論として、解体工事業における「許可」と「登録」は、自社が狙う工事金額の規模と営業エリアによって明確に選択すべきものです。
正しい知識を持った専門行政書士のアドバイスのもとで手続きを進めることが、最短でビジネスを拡大させるための唯一の正解です。
2024年の働き方改革(時間外労働の上限規制)が定着した現在、解体会社の経営者様に最も求められているのは、「現場の施工管理や重機の手配、近隣対策に全力を注ぎ、いかにバックオフィス業務(書類作成)の無駄な時間を削るか」という時間管理の意識です。
不慣れな建設業法や建設リサイクル法の手引きと何時間も格闘し、役所の窓口で
- 「資格が足りない」
- 「実務経験の証明書類が不備」
と突き返されることは、企業経営において非常に大きな見えない損失(機会損失)となります。
当事務所は、東京近郊(足立区、墨田区、葛飾区、江戸川区などの城東エリアをはじめ、新宿区、多摩地域、一都三県全域)のタフな解体事業者様・一人親方様を、法務の側面から守り抜くことをミッションとしています。
- 「まずは解体工事業登録から始めたい」
- 「売上が増えてきたので建設業許可の解体工事業へステップアップしたい」
- 「資格を持つ社員が入社したので要件を見てほしい」
といった、どんな小さな疑問でも即座に構造化して解決いたします。
まずは当事務所のホームページのお問い合わせフォーム、メール、またはお電話にて、お気軽にご連絡(ご相談)ください。
初回相談・要件診断は完全無料で、平日夜間や土日祝日の出張面談(事前予約制)、オンライン面談にも即日対応しております。
皆様からの気軽なお問い合わせを、スタッフ一同、心よりお待ちしております。
公的機関・公式サイト参考リンク
佐藤栄作行政書士事務所 |
公開日:2026.08.07 07:30
更新日:2026.08.08 14:17



