経営事項審査のY評点とは?経営状況分析の指標と算出方法を解説

建設業の皆様が公共工事の入札に参加する際、 避けては通れない のが経営事項審査(経審)です。

その中でも、純粋に会社の財務状況を数値化して評価されるのが Y評点 です。

Y評点は、

  • 自己資本比率
  • 純利益
  • 負債の状況

など8つの指標をもとに算出される絶対的な評価であり、他の項目(規模や技術力)とは異なります。

経営者の努力や財務整理によって比較的コントロールしやすいという特徴があります。

しかし、算出式や各指標の意味が難しく、 どうすれば点数が上がるのかわからない という声も多く聞かれます。

当事務所は、東京、埼玉、千葉、神奈川エリアを拠点に、建設業許可から経営事項審査までを専門に扱う行政書士事務所です。

本記事では、

  • Y評点の概要
  • 具体的な算出方法

点数アップのための対策までを徹底解説します。

健全性を示し、格付けを良くしたい方はぜひ最後までご覧ください。

経営状況分析(Y評点)の絶対的な算出方法

結論:Y評点(経営状況分析)は、登録経営状況分析機関によって算出される指標です。

財務諸表(貸借対照表、損益計算書)の数値を8つの項目に当てはめ、それらを合計して159.13を掛け、190.39を足すという特殊な式で計算されます。

Y評点を構成する8つの主要指標

経営状況分析では、以下の4つの観点から財務の健全性や効率性が審査されます。

1. 負債抵抗力(負債の少なさを評価)

  • 純支払利息比率:売上高に対する支払利息の割合。無借金経営に近いほど高得点になります。

  • 負債回転期間:月商に対して負債総額が何ヶ月分あるか。期間が短いほど評価されます。

2. 収益性(本業での稼ぐ力を評価)

  • 総資本売上総利益率:投入した資本に対してどれだけ売上総利益を生み出したか。

  • 売上高経常利益率:本業と財務活動を含めた利益率。

3. 健全性(純資産の厚さを評価)

  • 自己資本比率:総資本に占める自己資本(純資産)の割合。絶対的に高い数値が求められます。

  • 自己資本固定比率:自己資本に対する固定資産の比率。

4. 効率性・資金繰り(キャッシュフローを評価)

  • 営業キャッシュフロー:営業活動によって獲得した現金の額。

  • 利益剰余金:過去の蓄積である内部留保。

これらの各指標には、小数点以下の細かい係数が設定されており、上限と下限が設けられています。

例えば、自己資本比率が極端に高くても、ある一定の基準を超えると点数が頭打ちになるなどの仕組みになっています。

経審Y評点の計算とシミュレーション

結論:Y評点の算出式は非常に複雑なため、自社で手計算を行うのは現実的ではありません。

行政書士などの専門家が使用する専用のソフトや、分析センターの無料診断ツールを活用し、決算前にシミュレーションを実施することが、確実な点数アップへの近道です。

評点算出の基本プロセス

  1. 事業年度終了後の確定申告を完了させる。

  2. 建設業法の基準に基づく財務諸表(一式)を作成する。

  3. 登録経営状況分析機関(ワイズ公共データシステム等)へデータを送信または郵送。

  4. 分析結果通知書が発行される。

評点アップのための着眼点

Y評点を向上させるためには、決算直近の対策が有効です。

例えば、役員借入金を増資によって自己資本に振り替える(DES)ことで自己資本比率を一気に改善したり、未成工事受入金の整理を行い負債を減らすといった手法があります。

ただし、これらは税務上の影響も大きいため、税理士や行政書士と十分に検討を重ねる必要があります。

建設業許可と経営状況分析の役割

結論:建設業許可を維持するだけなら決算変更届だけで足りますが、公共工事の受注を目指す事業者にとっては、経営状況分析は必須のステップです。

Y評点の結果は、総合評定値(P点)の20%を占めるため、入札参加の格付けに大きく寄与します。

知事許可と大臣許可の違いによる影響

東京都知事許可であっても国土交通大臣許可であっても、経営状況分析の基準そのものに違いはありません。

ただし、提出先の行政庁(都庁や地方整備局)の受付時間や手数料の納付方法(郵便振替用紙や印紙)などの事務手続きには細かいルールがあります。

そのため、事前確認を怠らないようにしましょう。

経営規模評価(X1, X2)とのバランス

Y評点は 質 を表しますが、経審には 量(規模) を表すX1(完成工事高)やX2(自己資本額・平均利益)もあります。

会社の規模(売上高)を急に増やすことは難しくても、財務の健全性を磨くことで、規模の小ささを補います。

総合点を底上げすることが可能です。

Y評点を左右する勘定科目と実務上の重要ポイント

負債総額の圧縮と未成工事受入金の処理

Y評点の 負債回転期間 を改善するためには、負債総額をいかに少なく見せるかが鍵となります。

建設業界特有の勘定科目である 未成工事受入金 は、会計上は流動負債に分類されます。

これを適切に整理し、過剰な前受金を圧縮することで、回転期間の数値を良くし、評点アップに繋げることができます。

営業キャッシュフローの算出ロジック

営業キャッシュフローの計算には、 単なる利益 だけでなく、 減価償却費 の足し戻しや、 棚卸資産(仕掛品) の増減が大きく関わります。

在庫を抱えすぎず、資金を効率的に回転させているかどうかが、現金の獲得能力として評価されるのです。

これは、

  • 担い手確保のための賃金支払い
  • 設備投資(建設機械の保有)

に必要な原資を持っているかという観点から、非常に重要視されます。

社会性評価(W点)との連動性

Y評点が高い企業は、一般的に経営が安定しているため、W点における防災協定 の締結や社会保険の完備、さらには CCUS(建設キャリアアップシステム) の導入といった社会的責任を果たす余裕がある企業とみなされます。

東京都や神奈川県などの首都圏では、これらの項目が総合評価落札方式において加点されるケースが多く、Y評点とW点をセットで対策することが、入札を勝ち抜くための定石です。

よくある質問(FAQ)

結論:Y評点や経営状況分析に関して、よくある質問をまとめました。

Q1:赤字決算の場合、Y評点は極端に下がりますか?

A1:利益指標(売上高経常利益率など)はマイナスになりますが、自己資本が十分に留保されております。

無借金に近い状態(負債が少ない)であれば、合計点数としての下落を最小限に抑えることができます。

Q2:分析結果の通知はどのくらいで届きますか?

A2:センターによりますが、平日の営業時間内にオンライン申請を行えば、最短で当日〜3営業日程度で発行されることが多いです。

ただし、7月などの繁忙期は時間がかかる場合があるため、早めの準備が大切です。

Q3:小数点以下の端数はどう処理されますか?

A3:各指標の点数算出において、四捨五入や切り捨ての規定があります。

最終的なY評点は、計算結果の小数点第1位を四捨五入して整数で表示されます。

東京・埼玉・千葉・神奈川の経審申請は行政書士へ

経営事項審査のY評点は、御社の財務の力量を客観的に示す絶対的な指標です。

適切な勘定科目の処理や決算前の財務整理を行うことで、点数は確実に上げられます。

当事務所は、建設業許可の専門家として、東京、神奈川、埼玉、千葉の建設業者様を長年サポートしてまいりました。

複雑な経営状況分析の代行はもちろん、点数アップのための具体的なアドバイスまで、親身に対応いたします。

自社の財務で何点取れるのか知りたい 公共工事の格付けを1ランク上げたい とお考えの経営者様は、ぜひお気軽に無料相談へお問い合わせください。

皆様の事業継続と発展を、確実な手続きで支援いたします。

佐藤栄作行政書士事務所 | 公開日:2026.01.14 05:00 
更新日:2026.01.12 20:12

この記事を書いた人

sato-eisaku