経営事項審査のZ評点とは?技術力点数の計算方法と職員数の上げ方を解説

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結論:経営事項審査(経審)におけるZ評点は、建設業者の「技術力」を客観的に評価する項目です。

職員の資格保有状況(技術者数)と元請としての完成工事高(実績)の2つの要素から算出される重要な数値です。

公共工事の入札に参加することを希望する建設業者は、経営事項審査(経審)を受けなければなりません。

その中でもZ評点は、企業の施工能力を直接的に示す指標として、総合評定値(P点)の25%という大きなウエイトを占めています。

Z評点は大きく分けて、技術職員の数や保有資格を評価する「技術職員数(Z1)」と、発注者から直接請け負った実績を評価する「元請完成工事高(Z2)」の合計値で構成されます。

この評点が高いほど、技術力の高い企業として格付けされ、大規模な工事の受注に有利になります。

技術職員数(Z1)の評価対象と職員の資格

技術職員数(Z1)は、審査基準日において建設業者に常勤している技術者の資格や実務経験に基づいて点数化されます。

単に人数が多いだけでなく、1級施工管理技士や技術士などの国家資格を有する職員がどれだけ在籍しているかがポイントです。

  • 資格区分ごとの点数配点

    • 技術士、1級施工管理技士、1級建築士等:5点(監理技術者講習修了者はさらに1点加算し合計6点)

    • 2級施工管理技士、建築士補、電気工事士等:2点

    • 10年以上の実務経験者、登録基幹技能者:3点

一人の職員が複数の資格を持っている場合、1業種につき評価されるのは1つの資格区分のみですが、最大2業種まで評価対象として登録が可能です。

例えば、1級土木施工管理技士と1級舗装施工管理技士を併せ持つ職員は、それぞれの業種で加点に寄与できます。

元請完成工事高(Z2)の算出と役割

元請完成工事高(Z2)は、直前2年平均または3年平均の元請工事の完成工事高(完工高)を評価します。

これは、下請としてではなく、発注者から直接受注し、現場の管理・指導監督を行った実績を重視する仕組みです。

公共工事だけでなく、民間工事の元請実績も含まれます。

大規模な元請工事を施工できる能力があることを示すため、完工高の金額が多ければ多いほど、高い評点が付与されるテーブルになっています。

経営事項審査 Z点 計算の具体的な式

結論:Z評点の計算方法は、技術職員数から算出された数値(x1)と元請完成工事高から算出された数値(x2)を足して2で割り、小数点以下を切り捨てるという式「Z = (x1 + x2) ÷ 2」で求められます。

経営事項審査の計算式は非常に複雑ですが、Z評点の基本構造を理解することで、自社で点数シミュレーションを行うことが可能です。

x1(技術職員評価)とx2(元請完工高評価)は、それぞれの合計点数をあてはめ表(評価テーブル)に照らし合わせて数値を算出します。

技術職員数(x1)の算出テーブルと判定

技術職員の合計点数を、審査基準に基づく算出式にあてはめます。

例えば、監理技術者講習を受講した1級土木施工管理技士が3名、2級土木施工管理技士が5名いる場合:

  • (6点 × 3人) + (2点 × 5人) = 28点 この合計点数「28」を所定の計算式に代入して、x1の数値を導き出します。

元請完成工事高(x2)の区分と平均額

元請完工高は、千円単位の平均額を用いて算出されます。

  • 500万円未満:430点

  • 1億円以上2億円未満:687点

  • 10億円以上15億円未満:876点 このように、完工高が1億、5億、10億と増えるごとにステップアップする仕組みです。

経営事項審査 点数アップのための具体策

結論:Z評点を向上させるためには、職員の国家資格取得を積極的に支援し、元請工事の比率を増やすための営業戦略を構築することが最も効果的です。

公共工事の入札においてランクを上げるためには、経営状況分析(Y点)の改善と並行して、このZ評点の強化が欠かせません。

一朝一夕には上がらない項目だからこそ、計画的な取り組みが求められます。

職員の育成と資格取得支援制度の導入

技術職員(職員)のレベルアップは、Z評点アップの確実な方法です。

  • 監理技術者講習の徹底:1級資格者は必ず講習を受講させ、有効な資格者証を保有させる。

  • 受験費用の補助:2級施工管理技士から1級へのステップアップや、若手職員の実務経験に基づく資格取得を会社が全面的にバックアップする。

  • CCUS(建設キャリアアップシステム)の活用:技能者の就業履歴を蓄積し、レベルアップ判定を受けることで、社会性(W点)の評価向上にも繋がります。

元請案件の受注拡大と業種選択の最適化

下請工事がメインの会社でも、一部を元請として受注する工夫が必要です。

  • 小規模公共工事への参加:市町村などの「少額随一契約」などを活用し、元請実績を積み上げる。

  • 業種の振り替え検討:経営事項審査の申請手続きにおいて、特定の業種に完工高を集中させるか、あるいは複数業種に分散させるか、入札を希望する自治体の評価基準に照らして検討します。

経営事項審査 制度改正と最新の傾向

結論:経営事項審査は頻繁に制度改正が行われており、近年では担い手確保やワークライフバランス、防災への貢献度が重視される傾向にあります。

最新の審査基準を把握した対策が必要です。

2024年から2025年にかけても、経営事項審査の評価項目には複数の改正が含まれています。

これらへの対応を怠ると、せっかく技術力を高めても総合評定値が伸び悩む可能性があります。

経審 Z評点 対策と社会性(W点)の連動

Z評点は純粋な技術力ですが、これに付随する「社会性(W点)」も重要です。

  • 防災協定の締結:自治体や関係団体と災害時応援協定を結んでいる場合、大きな加点になります。

  • 社会保険への加入状況:健康保険、厚生年金、雇用保険への適正な加入は、もはや審査の前提条件(必須)となっています。未加入は大幅な減点対象です。

  • 建設機械の保有:ショベルローダーやクレーンなどの建設機械を自社で保有している台数に応じ、加点を受けることができます。

経営事項審査 評点シミュレーションの重要性

結論:決算の直前または直後に、現在の財務諸表と職員名簿を用いて正確な評点シミュレーションを行うことで、目標とする格付けランクに必要な点数を明確にしましょう。

無駄のない申請が可能になります。

経審の点数は、決算の数字が確定した時点でほぼ決まってしまいます。しかし、工事経歴書の作成方法や、専任技術者の配置、複数業種における完工高の按分方法などを工夫することで、数点から数十点の幅で数値をコントロールできるケースがあります。

行政書士に依頼するメリットとサポート内容

当行政書士事務所は、東京、神奈川、埼玉、千葉エリアの建設業者様に特化したサポートを行っています。

  1. 精緻な計算:最新の改正情報を反映した計算式を用いて、P点を算出します。

  2. 書類作成の代行:経営状況分析から評価結果通知書の受領まで、煩雑な手続きをすべて代行し、事務負担を軽減します。

  3. 戦略的アドバイス:どの資格を優先的に取得すべきか、元請完工高をどの業種に計上すべきか、経営改善に向けた具体的な提案をいたします。

初回相談は無料ですので、平日や土日を問わず、メールフォームやお電話で気軽にお問い合わせください。

経審 Z評点対策と最新の評価アルゴリズム

結論:Z評点の算出において、単に技術職員の数や元請完工高を合算するだけでなく、算出式に組み込まれたテーブル(判定表)の特性を理解し、端数処理や係数の影響を考慮した戦略的な準備が、最終的な総合評定値(P点)の向上に直結します。

経営事項審査(経審)の評価基準は、建設業法施行規則の改正によって、時代が求める建設業の姿(担い手の確保や生産性の向上)を反映するように進化しています。

特にZ評点は、企業の「施工の質」と「現場管理の厚み」を数値化するため、非常に緻密な計算が求められます。

  • 技術職員数(x1)の深掘り:多業種兼任のメリットと限界 技術者一人あたり、最大2業種まで登録できるというルールは、点数アップのポイントです。例えば、1級土木施工管理技士は、土木、とび、土工、石、鋼構造物、舗装、しゅんせつ、塗装、水道施設、解体など、多くの業種に対応可能です。しかし、経審では「どの2業種に割り振り、判定させるか」によって、業種別の点数が大きく変動します。行政書士によるシミュレーションでは、この組み合わせを何パターンも試行し、貴社が最も受注を希望する業種のランクが最大化されるよう算出を最適化します。

  • 元請完成工事高(x2)の按分と経営規模の評価 元請完成工事高は、直前2年平均か3年平均のいずれかを選択できますが、これは全業種一括での選択となります。業種によって、2年前は大きな元請工事があったが昨年は少なかったといった波がある場合、どちらの期間を選択すべきかは非常に悩ましい問題です。また、一式工事に含まれる専門工事を、実務経験や資格に基づいてそれぞれの専門業種へ振り替える(工事の種類の組み替え)ことで、技術者数と完工高のバランスを整え、Z評点を底上げする手法も有効です。

制度改正とキャリアアップシステム(CCUS)の恩恵

結論:令和5年以降の制度改正により、キャリアアップシステム(CCUS)の普及を目的とした加点が強化されております。

技術職員の能力評価(レベル3、レベル4の取得者)をZ評点の技術者数に適切に反映させることが、他社との差別化における強力な武器となります。

建設業界では現在、現場の技能者の処遇改善が急務となっています。そのため、経営事項審査においても、登録基幹技能者や、キャリアアップシステムで上位レベル(ゴールドやシルバー)のカードを保有する職員は、2級施工管理技士を超える3点という高い配点(評価)がなされるようになっています。

  • 若手技術者の育成と評価の向上 35歳未満の若手技術者や、新規採用者の割合が高い企業を評価する仕組みも、社会性(W点)だけでなく、間接的にZ評点の土台を支えます。技術者の雇用期間(審査基準日時点で6ヶ月以上の継続雇用が必要)といった要件を漏らさず管理し、常勤性を証明する健康保険被保険者証の写しや賃金台帳、出勤簿を完璧に整えることが、不備による減点を防ぐ徹底したリスク管理に繋がります。

  • 審査窓口独自の審査傾向への対応 東京都都市整備局や関東地方整備局(大臣許可の場合)などの窓口では、技術者の実務経験証明における裏付け資料(契約書、注文書等)のチェックが近年非常に厳しくなっています。特にZ2の元請完工高について、発注者との直接取引であることを証明する書類の端数1円単位まで決算書と一致させる必要があります。当行政書士事務所では、これらの手続きにおけるローカルルールを熟知しており、スムーズな受審をサポートします。

技術力評価の将来予測と戦略的な準備

結論:経営事項審査は「過去の実績」を評価するものですが、有効期間(1年7ヶ月)を考慮すると、次回の審査を見据えた「未来の準備」が重要です。

資格試験の合格発表時期や登録講習の修了証の交付日を審査基準日(決算日)までに合わせる戦略が点数アップを左右します。

例えば、3月決算の企業が、3月末日までに職員が監理技術者講習を修了し、資格者証が発行されていれば、その期のZ1で6点を算定できますが、4月1日になってしまうと、その加点は1年後の経審まで持ち越しとなります。

わずか1日の違いが、1年間の公共工事受注チャンスに影響を与えるのです。

当事務所では、貴社の決算時期に合わせ、どの職員にどの講習を受けさせるべきか、有効期間の切れ目をなくすためにいつまでに手続きを開始すべきかといったトータルスケジュールを管理します。

経営事項審査は、建設業者にとっての通信簿です。より良い評価を得るために、専門家の知見を最大限に活用していただきたいと考えています。

結び:建設業 経審での勝ち残り戦略

経営事項審査のZ評点は、貴社のこれまでの歩みと技術者の誇りを数値化したものです。

技術力の向上は、単なる点数稼ぎではなく、より安全で高品質な施工を実現するための土台となります。

東京、埼玉、千葉、神奈川で公共工事の入札を目指す皆様、Z評点の向上と経営事項審査の対策は、ぜひ当事務所にお任せください。

最新の法改正に基づいた最適なシミュレーションを提供し、貴社の事業拡大を強力に支援します。

佐藤栄作行政書士事務所 | 公開日:2026.01.15 09:00 
更新日:2026.01.13 21:44

この記事を書いた人

sato-eisaku