建設業許可の変更届はこれで完璧!期限・必要書類・行政書士への依頼費用

結論:建設業許可を受けた事業者は、許可取得後に生じた変更事項について、建設業法の規定に基づき、変更届を期限内に行政庁へ提出する義務があります。

変更届の提出を怠った場合は、更新や業種の追加ができなくなるほか、最悪の場合は許可の取り消しや罰則の対象となる可能性もあります。

今回の記事では、役員、専任技術者、営業所、資本金など主要な変更事項の全てに対応できるよう、必要な知識、正確な手続き、そして私たち専門の行政書士が提供する解決策を網羅的に解説します。

特に、東京、埼玉、千葉、神奈川の各行政庁のローカルルールに対応した最新の情報を提供します。

変更届出の基本と重要な期限

結論:建設業許可の変更届は、変更事項によって提出期限が「2週間以内」「30日以内」「事業年度終了後4ヶ月以内」の3つに大きく分かれます。

期限を間違えると、行政指導の対象となるため、変更事項が発生した時点で迅速な確認が不可欠です。

変更届の種類と提出期限の全知識

建設業許可の変更届は、その変更の内容によって、建設業法施行規則第3条に基づく様式や提出期限が細かく定められています。

  • 2週間以内の提出が必要な事項:経営業務管理責任者の変更や専任技術者の変更、営業所の新設・廃止・移転、役員の就任・退任・交代、支配人の新設・変更・廃止など、許可の根幹に関わる重要な変更が含まれます。特に、経管や専任技術者が欠けた場合は、欠格要件になり得るため、最優先で届を提出します。

  • 30日以内の提出が必要な事項:商号または名称、営業所の所在地(移転を伴わない住所変更など)、資本金の額、役員の氏名(変更のみ)などです。比較的、許可の根幹への影響が少ない事項ですが、遅延は許容されません。

  • 事業年度終了後4ヶ月以内の提出が必要な事項:決算変更届(様式第22号の2)がこれに該当します。毎年必ず提出する義務があり、損益計算書や貸借対照表などの財務諸表を含みます。これを怠ると、5年ごとの更新申請ができなくなります。

届出を怠った場合の行政処分とペナルティ

変更届の提出を怠った場合、建設業法に基づく行政指導や罰則の対象となる可能性があります。

  • 特に期限を大幅に超過した場合
  • 重要な変更事項(経管、専任技術者の欠如)を隠蔽していた場合

こうした場合は、行政庁による監督処分の対象となります。

  1. 更新申請の不受理:最も一般的なペナルティは、変更届の未提出や不備による更新申請の却下です。過去5年間の全ての変更事項を提出していないと、更新は受理されません。

  2. 罰則(過料):建設業法では、変更届の提出を怠った者に対して過料を科する旨が規定されています。

  3. 許可の取り消し:経営業務管理責任者や専任技術者が欠けた状態で長期間放置した場合は、許可の要件を満たさなくなるため、最悪の場合は許可の取り消し処分を受けることになります。

役員・経管・技術者の変更届

結論:役員、経営業務管理責任者(経管)、専任技術者の変更は、建設業許可の根幹に関わるため、最も厳格な手続きと2週間以内の期限が適用されます。

役員の就任・退任・交代時の手続き

法人の役員(取締役、監査役、執行役など)に変更があった場合は、変更届の提出が必要です。

氏名や住所の変更と異なり、「就任」「退任」「交代」は特に重要な事項となります。

  • 提出書類:役員の就任、退任を証明する議事録の写し、新たな役員の略歴書、身分証明書、誓約書(欠格要件に該当しないことを証明)、場合によっては商業登記簿謄本(登記事項証明書)。

  • 注意点:特に新任の役員が欠格要件に該当しないかどうかを厳しく審査されます。履歴や前職での罰則などがないか、事前に確認しておく必要があります。

経営業務管理責任者の変更届の注意点

経管は、建設業の経営を継続的に管理する責任者です。

変更は許可の要件そのものに関わるため、行政庁の審査が最も厳しくなります。

  • 新任経管の要件:新たに就任する経管が、建設業の経営に関し、て一定の期間(例:法人で5年以上)の実務経験を有していることを証明する必要があります。これを証明する契約書や請求書などの資料が多数必要となります。

  • 行政庁の対応:東京都や神奈川県などの行政庁は、経管の実務経験に関する確認が特に厳格であり、追加資料の提出を求められることが多いため、専門の行政書士に相談することが不可欠です。

専任技術者の交代・追加手続きのポイント

専任技術者は、各営業所に常勤して、請負契約の適切な履行を技術的に管理する者です。

交代(退任と新任)が発生した場合も2週間以内に届を提出します。

  • 技術者の要件:新任の技術者が、希望する業種に応じて、資格(建築士、施工管理技士など)または10年以上の実務経験のいずれかの要件を満たしていることが必要です。

  • 常勤性の証明:新任技術者の常勤性を証明する資料(健康保険証、雇用契約書、給与明細など)も提出します。特に、他の事業所や他の法人との兼任がないことを厳しく確認されます。

営業所と資本金の変更届

結論:主たる営業所の移転や資本金の変更は、会社の根幹に関わる重要な変更事項です。

それぞれ2週間以内、30日以内の期限が適用されます。

主たる営業所の移転・新設・廃止の手続き

建設業許可は営業所ごとに許可を受けるため、営業所の情報に変更があった場合は必ず届を提出します。

特に、主たる営業所(本店)の移転が、都道府県をまたぐ場合は、「知事許可から知事許可への新規申請」となる場合があり、注意が必要です。

  • 移転:新しい営業所の所在地図、不動産の登記事項証明書、賃貸借契約書などの資料が必要です。常勤する専任技術者の常勤性も再度証明する必要があります。

  • 新設:新たな営業所を設ける場合、新たに専任技術者を配置し、その要件を満たしていることを証明します。

資本金の額・名称・所在地の変更届

資本金の額の変更や商号の変更は、商業登記の変更と連動します。登記が完了した後、30日以内に行政庁へ届を提出します。

  • 必要書類:変更後の商業登記簿謄本(登記事項証明書)が最も重要な添付書類となります。資本金の額を減額した場合は、財産的基礎の要件を満たしているかどうかの再確認が必要なケースもあります。

  • 注意点:商号や名称を変更した場合は、すべての様式を新しい名称で作成し直す必要があります。

決算変更届の提出と流れ

結論:決算変更届は毎年、事業年度終了後4ヶ月以内に提出が義務付けられています。

許可を維持するための最も基本的な手続きです。

決算変更届の構成と必要書類

決算変更届は、許可を取得した後の経営状況を行政庁に報告する重要な書類です。

これが提出されていないと更新手続きができないため、建設業者にとっては最重要な年次報告となります。

  • 主な構成書類:様式第22号の2(変更届)、工事施工の状況を記載する表、損益計算書、貸借対照表、株主資本等変動計算書、注記表、事業報告書(法人の場合)、納税証明書、附属明細表などです。

  • 特定建設業の場合:特定建設業の許可を有している場合は、財産的基礎の要件を満たしているかを判断するための様式(例:欠損比率、流動比率など)の添付が別途必要となります。

税務申告と連動する提出時期

決算変更届の提出期限は、事業年度終了後4ヶ月以内と、法人税の確定申告期限(通常は事業年度終了後2ヶ月以内)とは異なるため、注意が必要です。

  • 連携の重要性:財務諸表は税務申告書と同一の内容である必要があります。税理士と行政書士が連携して書類を作成することで、記載内容の不一致を防ぐことが可能です。

  • 遅延の対処:期限に間に合わない場合は、事前に行政庁へ問い合わせを行い、その理由と提出可能な時期を報告する必要があります。

オンライン提出と書き方の要点

結論:変更届の一部は電子申請(オンライン)が可能となってきているものの、添付書類の提出は依然として紙や窓口での対応が主流です。

正確な書き方(様式の使用)が重要です。

変更届の正確な書き方と様式の取得

建設業許可の変更届は、変更の事項に応じて、国土交通省が定める様式を使用する必要があります。

誤った様式や記載の不備は、再提出を招きます。

  • 様式の種類:建設業法施行規則第3条に規定される各種様式(様式第11号、様式第12号、様式第15号など)を使用します。各都道府県のウェブサイトから様式をダウンロード可能です。

  • 記載の要点:特に、変更前と変更後の事項を対比させて記載する欄や、変更を行った年月日の記載は、登記事項証明書などの公的書類と齟齬がないように正確に記入します。

オンライン申請の現状と今後の見通し

建設業の許認可手続きのデジタル化は進められています。

一部の行政庁では変更届の電子申請が可能となっていますが、まだ全面的なオンライン化には至っていません。

  • 現状:国土交通大臣許可の場合、一部の届出は電子申請を導入しているものの、知事許可の多くは、依然として窓口への持参または郵送による紙の提出が必要です。

  • 注意:オンライン申請が可能な場合でも、添付書類(登記事項証明書、納税証明書など)は別途、原本または電子署名付きのデータで提出する必要があります。

行政書士への依頼と費用対効果

結論:煩雑な変更届の作成と提出は、専門の行政書士に依頼することで、確実性とスピードを向上させます。

経営資源を本業に集中させることが可能となります。

行政書士に依頼するメリット

建設業許可の変更届は、書類の種類が多岐にわたり、期限も異なります。

専門の知識がないとミスが発生しやすい手続きです。

  • 確実な期限管理:行政書士は、変更事項に応じた正確な提出期限を把握し、期間内に手続きを完了させます。

  • 複雑な書類作成:特に、経管や技術者の変更に伴う実務経験の証明書類の収集や様式の作成は、行政書士の専門知識が最も活きる部分です。

  • 窓口対応の代行:行政庁の窓口対応や、担当者からの問い合わせへの対応を全て代行し、お客様の負担を軽減します。

依頼時の報酬の目安と費用対効果

変更届の行政書士への依頼費用は、変更事項の種類と数によって異なります。

決算変更届は年1回の定期的な手続きとして、他の変更(役員、経管など)は都度のスポット依頼となるのが一般的です。

  • 報酬の目安:決算変更届の報酬は5万円から10万円程度が相場です。役員や経管などの複雑な変更届は、1事項あたり数万円から15万円程度が目安となります。

  • 費用対効果:行政書士に依頼する費用は、未提出や不備による許可の失効リスクや、担当者が手続きに費やす時間を考慮すれば、極めて費用対効果が高い投資と言えます。

地域別の変更届とローカルルール

結論:関東エリア(東京、埼玉、千葉、神奈川)の各行政庁は、変更届の添付書類や様式の記載方法に関して、独自のローカルルールや指導基準を設けているため、地域に精通した専門家の支援が不可欠です。

東京都・神奈川県の厳しい審査基準

東京都や神奈川県は、建設業者の数が非常に多いため、審査基準が厳格であることが知られています。

変更届に関しても、例外ではありません。

  • 添付書類の多さ:特に経管や技術者の変更の際は、実務経験を裏付ける請求書や契約書の数や内容に対して、他の県と比較して多くの提示を求められることがあります。

  • 窓口の指導:事前に電話で問い合わせを行っても、窓口に行かないと最終的な指導が受けられないケースもあり、窓口対応に慣れている行政書士の役割は重要です。

埼玉県・千葉県の郵送と簡略化の傾向

埼玉県や千葉県では、一部の簡略化された手続きや郵送による提出が可能な変更届も存在します。これを活用することで、手続きのスピードを上げることができます。

  • 郵送対応:決算変更届など、比較的重要度の低い変更届に関しては、郵送での受付を行っている行政庁もあります。ただし、不備があった場合の対応が遅れるリスクも伴います。

  • 一都三県:当事務所は、これら4都県すべての行政庁の最新の受付基準を把握しているため、お客様の所在地に応じて最も効率的な手続き方法をご提案します。

サイト外リンク (3個)

  1. 国土交通省:建設業法の規定と各種届出様式

  2. e-Gov法令検索:建設業法施行規則

  3. 東京都都市整備局:建設業許可に関する手引

佐藤栄作行政書士事務所 | 公開日:2025.11.18 08:30 
更新日:2025.11.18 12:23

この記事を書いた人

sato-eisaku