建設業実務経験証明書を書いてくれない時の解決法

建設業許可の取得を目指す方にとって、専任技術者の要件となる「10年間の実務経験」の証明は最大の壁です。
特に、前職の会社に対して「建設業 実務経験証明書 書いてくれない」という問題は非常に多く、申請を諦めてしまう原因となっています。
会社側が証明書の発行を拒否する理由は、
- 単なる手間や担当者の不在
- 退職者への嫌がらせ
あるいは、過去の無許可工事が発覚するリスクを恐れている場合など様々です。
今回の記事では、東京、埼玉、千葉、神奈川を中心に活動する建設業許可の専門行政書士が、
- 「実務経験証明書が書いてもらえない時の法的な解決策」
- 「会社の協力なしにも経験を証明する代替資料の集め方」
2つを徹底解説します。
諦めずに許可取得を目指すための最新の情報と戦略を提供します。
証明書発行拒否の理由と法的義務
この章で伝えたい結論:実務経験証明書の発行は会社の任意ではなく、労働基準法などの規定に基づき「実務経験証明書 発行義務」があります。拒否された場合は法的な手段も検討可能です。
実務経験証明書の発行は会社の義務
建設業許可のための実務経験証明書自体に関する明確な法令上の発行義務はありません。
しかし、これは退職時に請求できる「退職証明書(労働基準法第22条)」、及び「職務経歴書の作成に資する情報の提供(職業安定法など)」としての側面を持っています。
実質的には、労働者が次の職や資格取得に必要とする証明を会社が不当に拒否することは許されないという考え方が一般的です。
- 労働基準監督署への相談(労働基準監督署 相談):発行拒否が不当な労働問題とみなせる場合は、労働基準監督署に相談することで、監督署から会社へ指導が入る可能性があります。
建設業 実務経験証明書 拒否の具体的な理由
実務経験証明書を会社が「書いてくれない」理由は、単なる感情的な問題だけではありません。
- 無許可工事の発覚リスク:過去に許可なしで500万円以上の工事を請け負っていた場合、証明書に記載することで行政庁にその事実が知られることを恐れている場合があります。
- 退職者への報復的な拒否:円満退職ではない場合など、会社側が感情的に拒否するケース。
- 担当者の知識不足や手間:証明書の重要性を理解しておらず、単に手間だと思って対応を後回しにするケース。
会社協力なしの代替証明戦略 (15文字)
この章で伝えたい結論:会社に実務経験証明書を書いてもらえなくても、残っている自身の手元の資料(給与明細、注文書など)を複数組み合わせ、「実務経験証明書 代行」の形で証明が可能です。
代替証明に必要な書類(10年間の証明)
建設業許可の専任技術者要件で最も重視されるのは、「10年間の建設工事の実務経験が客観的に証明できるか」という点です。
証明書が得られない場合は、以下の資料で「経験期間」と「経験内容」を証明します。
- 経験期間の証明(在籍期間の証明):
- 健康保険被保険者証の写し(会社名と在籍期間の特定)
- 厚生年金の加入記録(年金事務所で取得可能な「ねんきん定期便」など)
- 源泉徴収票の写し(会社名、期間、給与の証明)
- 経験内容の証明(工事への従事証明):
- 自身が関わった工事の請負契約書、注文書、発注書、図面など
- 工事台帳、日報、工程表(自身の名前や押印があれば有効性が高い)
- 銀行口座の通帳履歴(報酬の入金記録と工事内容の紐付け)
実務経験証明書代行の法的根拠
建設業許可申請の実務では、
- 前職の会社が倒産した場合
- 廃業した場合
など、証明書が物理的に取得できないケースを想定します。
行政庁は代替資料による証明を認めています(ただし、都道府県により厳格性が異なります)。
行政書士は、これらの資料を集めます。
「実務経験証明書」に代わる「申立書(自身の実務経験を主張する書類)」を作成し、行政庁と交渉します。
行政書士と弁護士の相談範囲の違い
この章で伝えたい結論:実務経験証明書が書いてもらえない場合、行政書士は代替資料による許可取得の「解決策」を担当してくれます。
弁護士は会社への発行義務をめぐる「紛争解決(訴訟など)」を担当します。
まずは行政書士に相談して許可取得の道を探るのが最善です。
行政書士(専門家)に相談するメリット
行政書士は、建設業許可の要件と審査基準を熟知しているため、「建設業 実務経験証明書」が得られなくても、クライアントが持っている資料(給与明細、請負書など)を最大限に活用します。
行政庁を納得させるための証明戦略を立てることが可能です。
弁護士への相談(弁護士 相談 建設業)は時間と費用がかかるため、まずは行政書士に相談することで、訴訟を避けた状態で許可取得の道を探ることができます。
あ建設業許可に強い行政書士の選び方|相談から依頼までの流れを解説
弁護士への相談が適切なケース
弁護士 相談 建設業の出番は、以下のような法的紛争が絡む場合です。
- 会社の発行拒否が不当であり、内容証明郵便や訴訟によって強制的に発行を請求したい場合。
- 退職金、未払い残業代など、「実務経験証明書の問題」と並行して労働問題の解決も目指したい場合。
職務経歴書 書き方 建設業への応用と鮮度
この章で伝えたい結論:建設業の転職(建設業 転職)をする際に作成する「職務経歴書」は、行政書士に相談する際の実務経験証明の元資料となるため、許可取得を見据えた詳細な内容で記述しておくことが重要です。
- 職務経歴書の重要性:関わった工事の概要、請負額、自身の役割(主任技術者、現場監督など)を具体的に記載することで、実務経験証明書の「代わり」としての価値が高まります。
- 鮮度の高い情報の活用:直近の転職経験は、記憶が鮮度の高い状態であるため、詳細な職務経歴書を作成する絶好の機会です。
建設業 転職時の実務経験証明の注意点
この章で伝えたい結論:建設業 転職を行う際は、退職時に会社への「実務経験証明書の依頼」を、できれば円満に書面で行います。
万が一に備えて関連資料を確実に収集しておくことが大切です。
- 退職時の依頼の進め方:退職理由や時期が確定した際に、証明書の発行を書面で依頼し、会社側の対応記録を残しておくことが重要です。
行政庁への事実照会と実務経験証明の限界
この章で伝えたい結論:会社に実務経験証明書を拒否された場合でも、申請者が代替資料を提出すれば、行政庁が前職の会社へ「事実照会」を行うことが可能です。
しかし、会社が回答を拒否すると証明は困難となります。
- 事実照会の限界:照会に対し会社側に回答義務はないため、行政庁はそれ以上の調査ができず、証明不足で不許可となるリスクが残ります。
東京・埼玉・千葉・神奈川の証明基準の違い (29文字)
関東エリアの各都県では、実務経験証明書の代替資料に対する審査の厳格性が異なります。
特に東京都などの大きな行政庁は審査が厳しい傾向にあるため、より多くの客観的な資料の提出が必要となります。
専任技術者要件の代わりを探る(別ルート)
実務経験証明が困難な場合は、いっそのこと専任技術者の要件を「資格」で満たすことを検討するのも一つの解決策です。
例えば、建設業の国家資格(施工管理技士など)を保有していれば、実務経験の証明は不要となります。
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佐藤栄作行政書士事務所 |
公開日:2025.10.20 09:00
更新日:2025.10.21 20:00



