建設業許可の財産的要件とは?自己資本500万円の基準と証明方法を解説
建設業許可の申請を行う際、「財産的基礎を満たしているか」という要件は、新規の事業者にとって最も大きな課題となる一つです。
特に、自己資本が500万円を超えることが必要とされるため、自社の財務状況をしっかりと確認しておく必要があります。
今回の記事では、建設業許可における財産的要件について、一般建設業と特定建設業に分けて詳しく解説します。
- 自己資本の考え方
- 証明に必要な書類
- 資金調達の方法
まで、許可取得に向けて知っておくべきことをすべて網羅します。
当事務所は建設業許可の専門家として、東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県の事業所をサポートしています。
財産的要件の概要と種類
建設業許可を受けるためには、
- 建設業法で定められた経営業務の管理責任者
- 専任技術者
- そして財産的基礎
という3つの主要な要件をすべて満たさなければなりません。
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財産的要件は、事業を健全に継続していくための金銭的な基盤があることを示します。
一般建設業の財産的要件
一般建設業の許可申請において、財産的要件は以下のいずれかを満たすことが必要となります。
- 直前の決算期における自己資本の額が500万円を超えていること
- 500万円の資金調達能力があること
- 許可申請直前の5年間、継続して建設業を営んでいること
多くの場合、自己資本または資金調達能力のいずれかで要件を満たします。
特定建設業の財産的要件
特定建設業は、一般建設業に比べてより厳しい財産的要件が求められます。
下請契約の保護を目的として、以下の3つのすべてを満たすことが必要です。
- 資本金が2,000万円以上であること
- 自己資本の額が4,000万円以上であること
- 流動比率が75%以上であること
- 欠損の額が資本金の20%を超えないこと
この要件は、経営事項審査を受けている業者は審査の評点でも判断されるため、日頃から財務管理に注意することが重要です。
500万円の自己資本と証明方法
一般建設業の財産的要件で最も一般的な「自己資本500万円」について、その具体的な内容と証明に必要な書類を解説します。
自己資本とは
自己資本とは、貸借対照表の「純資産の合計額」を指します。
これは、返済の必要がない会社の資産です。
具体的には
- 資本金
- 資本剰余金
- 利益剰余金(繰越利益剰余金を含む)
などが含まれます。
- 法人の場合:直前の決算期における貸借対照表の「純資産合計」が500万円を上回っていること
- 個人事業主の場合:確定申告の際に作成する貸借対照表の「事業主借勘定」と「事業主貸勘定」を調整した自己資本が500万円を超えていること
もし、直前の決算で自己資本が500万円に満たない場合でも、増資を行うことで要件を満たすことが可能です。
証明書類と審査のポイント
自己資本を証明する書類は、原則として直前の事業年度における確定申告の際に提出した決算書(貸借対照表、損益計算書など)の写しです。
特に、貸借対照表に記載された純資産の額が審査の基準となります。
書類の内容に不備があると、審査で差し戻されてしまうため、作成には細心の注意が必要です。
資金調達能力と証明方法
決算書上の自己資本が500万円に満たない場合でも、500万円の資金調達能力があることを証明できれば、要件を満たすことが可能です。
預金残高証明書と証明方法
資金調達能力を証明する最も一般的な方法は、金融機関が発行する「預金残高証明書」を提出することです。
申請の直前の日付で、預金口座の残高が500万円以上あることを証明します。
証明書の発行には数日かかる場合があるため、早めに準備しておく必要**があります。
融資証明書と証明方法
銀行や金融機関から500万円以上の融資を受けられることを証明できれば、資金調達能力を満たします。
これは「融資可能証明書」などの書類を金融機関に発行してもらい、申請書類に添付する方法です。
専門家への相談タイミング
建設業許可の取得を目指す上で、いつ行政書士に相談すればいいのか悩む方も多いでしょう。
財産的要件については、特に以下のようなタイミングでの相談をおすすめします。
許可申請の準備を始める前
まずは、許可申請の準備を本格的に始める前にご相談いただくのが最も効果的です。
特に、自己資本の額が500万円に満たない場合でも、増資の手続きや銀行との融資相談など、今後取るべき行動について専門家の視点からアドバイスを受けることができます。
直近の決算が完了した後
直近の決算が完了した後も、良い相談タイミングです。
決算書を基に、
- 現状の財産的要件をクリアできているか
- もしくはどのような対策を講じればいいのか
この点を具体的に把握することができます。
当事務所は、確定申告の決算書を拝見し、許可を取れるかどうかを判断させていただきます。
建設業許可の相談から申請までの流れ
建設業許可の取得は、複雑な手続きが多く、専門知識が必要です。
行政書士に依頼することで、手間と時間を大幅に削減し、スムーズに許可を得ることが可能です。
ここでは、当事務所にご相談いただいてから、許可申請が完了するまでの流れを、5つのステップに分けて解説します。
ステップ1:初回のご相談
まずは、お電話またはメールフォームにて、お気軽にご相談ください。
初回のヒアリングは無料で承っております。
この段階で、お客様の事業内容や現在の状況を簡単にお伺いします。
- 「そもそも許可が必要なのか」
- 「どういう手続きがあるのか」
といった漠然とした疑問でも構いません。
ステップ2:面談と要件確認
初回の相談後、面談の機会を設けさせていただきます。
お客様のご都合に合わせて、当事務所にお越しいただくか、オンラインでの面談も可能です。
面談では、建設業法で定められた許可の要件(経営業務の管理責任者、専任技術者、財産的基礎など)を詳しく確認します。
この際、必要な書類や情報を事前にご用意いただけると、手続きがよりスムーズに進みます。
ステップ3:お見積りとご契約
ヒアリングと要件の確認が終わった後、許可申請に必要な費用や報酬を明確にしたお見積りを提示します。
料金の内訳やサービスの内容を詳しくご説明いたします。
ご納得いただいた上でご契約となります。ご契約後、正式に業務を開始します。
ステップ4:書類の収集と作成
ご契約が完了したら、許可申請に必要な書類の収集と作成を進めます。
- 住民票や納税証明書
- 会社の登記事項証明書
など、役所で取得する書類については、当事務所が代行することも可能です。
お客様には実務経験を証明する資料など、ご協力をお願いする部分もあります。書類が全て揃い次第、不備がないか最終確認を行います。
ステップ5:申請と許可取得
作成した申請書類を、当事務所が責任を持って行政庁へ提出します。
申請後、行政庁の審査が始まり、無事に審査を通過すれば、建設業許可が下ります。
許可取得後も、事業年度終了の報告など、必要な手続きについても引き続きサポートいたします。
当事務所は、初回のご相談から許可取得、その後のフォローアップまで、一貫してお客様の力になれるよう努めています。
何かご不明な点がございましたら、どうぞお気軽にお問い合わせください。
専門家への相談とサポート
財産的要件は、専門的な知識がないと判断が難しい場合があります。
特に、
- 自己資本がマイナスになっている場合。
- 個人事業主の場合。
上記に該当する場合は、どのように計算すべきか悩むことが多いでしょう。
行政書士に依頼するメリット
行政書士に許可申請を任せることで、自社の状況に応じた最適な方法を提案してもらうことができます。
決算書の読み方や、どの書類を用意すべきかといった疑問に対しても、専門家ならではの知識で分かりやすく回答します。
建設業許可に強い行政書士の選び方|相談から依頼までの流れを解説
当事務所のサポート
当事務所は、建設業許可の専門家として、財産的要件を満たすための具体的なアドバイスを提供しています。
自己資本が足りない場合でも、増資や資金調達の方法を検討し、円滑に許可が取得できるようサポートします。
初回のご相談は無料ですので、まずはお気軽にお問い合わせください。
東京、埼玉、千葉、神奈川の事業者様のご依頼に対応しています。