経営事項審査のX2評点を解説!自己資本と平均利益額で経営規模を伸ばす

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建設業の皆様が公共工事の入札に参加する際に必須となるのが経営事項審査(経審)です。

その総合評定値(P点)を構成する要素のうち、完成工事高(X1)と並んで 経営規模 を表すのがX2(自己資本額および平均利益額)です。

X2は企業の財務的な実力や健全性を数値化した指標であり、この評点を向上させることは、格付けを上げるために極めて重要なポイントとなります。

しかし、算出式が複雑で どうすれば点数が上がるのか 自社の数値をどう当てはめればよいのか と悩みを抱える建設業者の方も少なくありません。

当事務所は、東京、埼玉、千葉、神奈川エリアで建設業許可申請や経審手続きを専門に行う行政書士事務所です。

本記事では、経審のX2について、計算方法から最新の審査基準、さらには戦略的な点数アップ対策までを徹底解説します。

はじめて申請を検討されている経営者の方から、毎年のアップデートを目指す担当者の方まで、ぜひ最後までご覧ください。

経営事項審査X2計算方法

結論:経営事項審査のX2は、 自己資本額(x21) と 利払税引前償却前利益(平均利益額:x22) の2つの数値から算出されます。

x21とx22の評点を足して2で割った平均値がX2の値となり、計算式には段階的な評価テーブルが用いられます。

自己資本額(x21)の算出

自己資本額(x21)は、直近の決算における貸借対照表の 純資産の合計 を用います。

  • 算定基準:直前決算(1期)の純資産額、または直前と前期の2期平均のどちらかを選択できます。

  • 有利な選択:通常は数値が大きい方を選びますが、トレンドが減少傾向にある場合は2期平均を用いることで点数の急落を防ぐことが可能です。

平均利益額(x22)の算出

平均利益額(x22)は、いわゆるキャッシュフローに近い収益性を評価する項目です。

  • 計算式:営業利益 + 減価償却費 = x22

  • 期間:直前と前期の2期平均で算出します。

  • 留意点:営業利益がマイナス(赤字)であっても、減価償却費がそれを上回る金額であれば、数値はプラスになります。

算出されたx21とx22は、国土交通省が定める評点テーブルに当てはめ、小数点以下を切り捨てて最終的な点数を確定させます。

経営事項審査その他評点

結論:X2は その他評点と呼ばれることもありますが、実際には経営規模の一部(自己資本・利益力)を評価する絶対的な指標です。

経審のP点算出において、経営規模(X1+X2)は全体の40%という高い比率を占めるため、財務状況の改善が直接P点の結果に直結します。

X2が評価する 経営の安定性

公共工事の発注者は、工事の途中で会社が破綻しないかという健全性を重視します。

自己資本(純資産)が厚いことは、負債に対する抵抗力があることを示し、平均利益額が高いことは、借入金の返済能力や設備投資余力があることを裏付けます。

審査における区分とウェイト

経審の算出式 P = 0.25(X1) + 0.15(X2) + 0.20(Y) + 0.25(Z) + 0.15(W) において、X2は15%のウェイトを持ちます。

一見、技術力(Y)や社会性(W)より低く見えますが、X1(完成工事高)とセットで 規模 として判断されるため、元請として大規模受注を目指す建設業者にとっては、低く評価されるわけにはいかない項目です。

経審X2対策

結論:X2の評点アップ対策の王道は、内部留保(繰越利益剰余金)を積み上げること、および適切な節税と投資のバランスを保ちながら営業利益を確保することです。

決算直前の付け焼き刃では限界があるため、税理士や行政書士と連携した長期的な戦略が求められます。

自己資本(x21)を増やす具体的な方法

  1. 増資の実施:資本金を増やすことで、ダイレクトに純資産を押し上げることができます。

  2. 役員借入金の資本化(DES):代表者が会社に貸している金を出資に振り替えることで、負債を減らし自己資本を厚くできます。

  3. 役員報酬の見直し:利益を会社に残すため、役員報酬を少し抑え、法人としての純資産を増やす検討も有効です。

平均利益額(x22)を高くするコツ

  • 減価償却の活用:x22の計算では減価償却費が足し戻されるため、新しい建設機械の保有や車両の購入を行うことで、収益性の指標を有利に進めることができます。

  • 工事進行基準の採用:工期が長期にわたる工事において、決算時までの進捗に応じて収益を計上することで、利益の平準化を図り、平均利益を安定させます。

 

経営事項審査の点数アップ

結論:X2の点数アップは、単なる数値の操作ではなく、会社経営の健全化そのものです。

評点テーブルは金額が上がるほど1点あたりのハードルが高くなる仕組みになっているため、自社の現在の水準を正確に把握し、目標とする格付けに必要な点数を逆算して取り組むことが大切です。

評点テーブルの理解

自己資本額(x21)のテーブル例:

  • 0円未満:547点(債務超過の場合)

  • 0円以上1億円未満:548~675点

  • 1億円以上10億円未満:676~850点

  • 300億円以上:最高点(1147点)

平均利益額(x22)のテーブル例:

  • 0円以下:603点

  • 0円超1億円未満:604~777点

  • 500億円以上:最高点(1543点)

小数点以下は切り捨てとなるため、あと数万円の利益があれば評点が1点上がる、という境界線を知ることが経営上の判断に役立ちます。

建設業経営状況分析

結論:経営事項審査に付随して行われる 経営状況分析(Y点) は、X2とは別の財務指標ですが、財務諸表をもとに算出される点では共通しています。

X2が 規模(パワー) を見るのに対し、Y点は 健全性(質) を見るという違いがあります。

X2とY点の相乗効果

自己資本額が大きい(X2が高い)会社は、一般的に自己資本比率(Y点の指標の1つ)も高くなります。

結果として総合評定値が大きく向上します。

逆に借入金が多額な場合、支払利息の負担が増えて営業利益(X2)を圧迫し、負債比率(Y点)も悪化するという負のスパイラルに陥りやすくなります。

分析センターへの申請

経営状況分析は、国土交通大臣の登録を受けた登録経営状況分析機関に対して申請を行います。

行政書士に依頼する場合は、経審の申請書類とあわせて、これらの財務デ-タの送信や分析受取も代行するのが一般的です。

経営事項審査シミュレーション

結論:申請前のシミュレーションは、経審対策の第一歩です。

直前決算の数値を足し引きすることで あといくら純資産があればランクが上がるか を可視化し、次の事業年度の方針を明確にすることができます。

シミュレーションで確認すべき項目

  • 完成工事高(X1)の2期平均 vs 3期平均の有利判定

  • 自己資本(x21)の1期 vs 2期平均の有利判定

  • 平均利益(x22)の算出とテーブルへの当てはめ

  • 技術者数(Z)や社会性(W)の加点要素の確認

当事務所では、御社の直近決算書を参照し、最新の改正基準に即した詳細なシミュレーションを無料で承っております。

格付けの維持や落札率の向上を目指す建設業者様は、お気軽にご相談ください。

建設機械の保有とX2評点の関係性

経審では、X2の他にもW点(社会性)において 建設機械の保有 が評価されます。

実務上、X2の平均利益額(x22)を算出する際、 減価償却費 が加算される点は前述の通りですが、これは重機や車両を保有している建設業者にとって非常に有利に働きます。

例えば、バックホウやショベル、ロードローラー、高所作業車などの減価償却が進むことで、営業利益が見かけ上圧縮されたとしても、経審の評価上はそれらが 足し戻される ため、高い評点を維持できる仕組みになっています。

これは 担い手 を確保し、自社で施工能力を持つ企業を高く評価するという国土交通省の方針の表れです。

経営規模と財務諸表の整合性

経審の申請に際して提出する 財務諸表は、税務署に提出したものと厳密に一致している必要があります。

建設業経理士や公認会計士、税理士による監査を受けている場合、その事実自体がW点において加点対象となりますが、X2評点を正しく算出するためには勘定科目の振り分け が重要です。

例えば、本来「営業外費用」に計上すべきものが「売上原価」や「販売費及び一般管理費」に混入していると、営業利益(x22の基礎)が不当に低く算出されてしまう恐れがあります。

行政書士法人や専門のスタッフによる事前の内容確認(スクリーニング)が、ミスによる失点を防ぐ鍵となります。

防災協定と地域貢献のウェイト

X2で表される 経営規模 は、公共工事の入札における 足切りライン としても機能します。

東京都や神奈川県、千葉県、埼玉県といった首都圏の各自治体では、一定規模以上の工事(一式工事など)において、P点(総合評定値)の最低基準を設けていることが一般的です。

ここにW点の 防災協定 締結による加点や、ISO9001、ISO14001の取得状況が加わることで、最終的な格付けが決定します。

X2はあくまで 企業の基礎体力ですが、これに 地域の担い手 としての活動を加味することが、成功する入札戦略には不可欠です。

よくある質問

結論:経営事項審査のX2に関して、建設業者様からよく頂いている質問と回答をまとめました。

Q1. 赤字決算の場合、X2の評点はどうなりますか?

A1. 営業利益が赤字でも、減価償却費を足した合計がプラスであれば、平均利益額(x22)としてプラスの評点が算出されます。

ただし、利益の減少は純資産(自己資本)を減らすため、x21にはマイナスの影響を与えます。

Q2. 役員借入金は純資産に含めることができますか?

A2. そのままでは負債(純資産外)ですが、公認会計士や税理士の指導のもと資本性劣後ローンとしての要件を満たす契約に変更したり、増資の原資に充てたりすることで、実質的に自己資本としてカウントさせることが可能です。

Q3. X1とX2、どちらを優先して対策すべきでしょうか?

A3. X1(完工高)は受注実績に依存するため、短期間で変えることは難しくなります。

一方でX2(財務)は、決算前の役員報酬調整や固定資産の売却、増資など、会社経営者の判断でコントロールできる余地が比較的大きいため、早期の点数アップにはX2への注力がおすすめです。

Q4. 経審の点数は毎年変わりますか?

A4. はい、毎年実施される審査であり、直近の決算数値に基づき毎回算定されます。

有効期間は決算日から1年7ヶ月ですので、公共工事を継続受注するには毎年欠かさず受けることが必須です。

東京・埼玉・千葉・神奈川の経審申請は当事務所へ

経営事項審査のX2評点は、御社の 経営体力 を数字で証明する重要な関門です。

計算方法を正しく理解し、適切なタイミングで対策を講じることで、公共工事の入札における格付けを有利に進めることができます。

当事務所は、建設業許可の専門職として、東京、神奈川、埼玉、千葉の事業所を対象に、新規取得から更新、経審対応までトータルでサポートしております。

  • 自社の点数が何点になるか知りたい
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といったご要望がございましたら、ぜひお気軽にお問合せください。

専門家ならではの視点で、御社の点数アップを徹底支援いたします。

佐藤栄作行政書士事務所 | 公開日:2026.01.16 05:30 
更新日:2026.01.13 21:49

この記事を書いた人

sato-eisaku